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新入社員の20.1%が職場で孤独|その41.6%が「3年以内に辞める」と回答

2026年卒の新入社員800人のうち20.1%が職場で孤独を感じ、その層の41.6%が3年以内の退職を想定していました。相談先には生成AIが21.7%で入り込んでいます。テレワーク実施率の低下と併せて、接点をどう設計し直すかを整理します。

新入社員の定着を語るとき、論点は研修や配属の話になりがちです。しかし数字が示しているのは、もっと手前のことでした。職場で孤独を感じている新入社員は20.1%。そしてその層の41.6%が、3年以内に辞めるつもりだと答えています。

調査の前提

マイナビ転職が2026年6月17〜19日に、2026年卒業の新入社員800名(男女各400名、22〜23歳)を対象に実施したインターネット調査です。

孤独の中身は「話しかけられない」

職場で孤独を感じている新入社員は20.1%。5人に1人です。その内訳を見ると、原因は人間関係の悪さではありません。

感じていること割合
忙しそうで質問しづらい43.5%
苦手な人物が存在する31.1%
気軽に話せる同僚がいない29.8%

**1位は「忙しそうで質問しづらい」43.5%です。**誰かに嫌われているわけでも、排除されているわけでもありません。話しかけるタイミングが見つからないという、極めて物理的な問題です。

これは受け入れ側から見えにくい。本人が黙っているため、困っている事実そのものが伝わりません。

相談先に生成AIが入ってきた

孤独を感じている層の相談先です。

相談先割合
社外の友人41.0%
生成AI21.7%
相談できる相手がいない9.3%

5人に1人が、仕事の相談を生成AIにしています。

この数字は単独では読めません。別の調査(パーソル総合研究所、正規雇用者3,300名)では、生成AIのヘビーユーザーの**31.6%が「人よりAIに話すほうが気楽」**と回答しています(ライトユーザーは20.1%)。

**AIに聞けば解決してしまうため、人に聞く必要がなくなる。**新入社員にとっては合理的な選択です。分からないことがあり、上司は忙しそうで、AIは24時間答えてくれる。

問題は、その結果として組織側から「困っている」というシグナルが完全に消えることです。

働きがいと勤続意向への影響

孤独の有無で、指標が明確に分かれます。

項目孤独を感じている層感じていない層
働きがいがある59.7%83.6%
差-23.9ポイント—

そして勤続意向です。

  • 孤独を感じている層の**41.6%が「3年以内に退職」**と回答
  • 孤独を感じていない層では**31.1%が「10年以上」**と回答

孤独を感じているかどうかで、勤続の見通しが正反対になっています。

既存の定着データと符合する

この結果は、別の調査とも整合します。アイ・ラーニングが従業員50名以上の企業で新入社員育成に関わる500名に実施した調査では、定着課題の要因は次のとおりでした。

要因割合
仕事内容と期待のミスマッチ56.9%
人間関係(上司・先輩・同僚)53.3%
教え方の統一が欠けている42.2%

受け入れ側が「人間関係」を課題として挙げ、新入社員側が「質問しづらい」と答えている。同じ現象を両側から見ています。

さらに同調査では、**入社後に身につけるべきスキルが「明確化されている」企業はわずか14.2%**でした。何を教えるかが決まっていない状態では、指導役も何を聞かれるべきか分かりません。「忙しそうで質問しづらい」の裏側には、この設計の欠如があります。

出社を増やせば解決するのか

同じ時期、働き方の側でも動きがあります。パーソル総合研究所が30,614名を対象に2026年7月に実施した調査です。

項目数値
テレワーク実施率21.4%(前年同期比-1.1pt)
前年比で頻度が「減った」32.7%
業種別最高(情報通信業)55.7%
地域別最高(東京都)35.5%
テレワーク実施者の継続希望81.6%

「原則出社」の指示は2年連続で増加し、全企業規模で増えています。一方、実施者の81.6%は続けたいと答えている。会社の方針と本人の希望が逆を向いています。

ここで注意が必要です。出社を増やせば孤独が減る、とは限りません。

前掲の孤独の内訳の1位は「忙しそうで質問しづらい」でした。これは同じフロアにいても起きます。むしろ、目の前で忙しそうにしている人には、さらに話しかけにくい。

接点は制度(出社/在宅)ではなく、設計の問題です。出社を義務づけただけで孤独が解消するなら、テレワーク以前に新入社員の離職は起きていないはずです。

打ち手:シグナルが出ない前提で組む

孤独は自己申告されません。「困っていることはありますか」と聞いても「大丈夫です」と返ってきます。本人が黙っていても検知できる仕組みが必要です。

1. 質問の窓口を人ではなく時間に置く

「いつでも聞いて」は機能しません。相手が忙しそうかどうかを本人が判断しなければならないからです。

**「毎日16時から30分は質問対応の時間」**のように時間で区切ると、判断が不要になります。質問がなければ雑談で終わればよい。

2. 入社後に身につけるスキルを明示する

明確化している企業は14.2%です。3か月後に何ができている状態かを文書にするだけで、指導役と本人の共通の基準ができます。「何を聞いていいのか分からない」状態が解消されます。

3. AIに相談してよいことにする、ただし記録する

生成AIへの相談を禁止しても、隠れて使うだけです。むしろ**「AIに聞いて解決したこと」を共有する場を作る**ほうが有効です。何につまずいたかが可視化され、教育コンテンツの改善につながります。

4. 同期・斜めの関係を意図的に作る

相談先の1位が「社外の友人」41.0%であることは、社内に安全に相談できる相手がいないことを示しています。直属の上司以外との接点(他部署のメンター、同期の定例)を制度として置いてください。

5. 働き方の選択肢を用意する

高知県は2026年度から、週10時間の無給休暇を取得できる「短時間正職員」の採用を開始しました。職種を限定せず、フルタイムより短い勤務時間で働く正職員を採用する制度です。

この記事は有料会員限定のため、制度の詳細と実績は確認できていません。

テレワーク実施者の81.6%が継続を希望している状況で、**一律の勤務形態を強いることは採用競争力を下げます。**自治体でこうした制度が出てきていること自体が、労働市場の変化を示しています。

まとめ

  • 2026年卒の新入社員の20.1%が職場で孤独を感じている。1位の理由は「忙しそうで質問しづらい」43.5%
  • 孤独を感じている層の相談先は社外の友人41.0%、生成AI21.7%、相談相手なし9.3%
  • 孤独を感じている層は働きがいが23.9ポイント低く、41.6%が3年以内の退職を想定
  • 受け入れ側の定着課題でも「人間関係」が53.3%で上位。同じ現象を両側から見ている
  • 入社後に身につけるスキルを明確化している企業は14.2%。「何を聞くべきか」が定義されていない
  • テレワーク実施率は21.4%へ低下する一方、実施者の81.6%は継続を希望。ただし出社を増やせば孤独が減るわけではない
  • 孤独は自己申告されない。時間で区切った質問窓口、到達目標の明示、斜めの関係を仕組みとして置く

出典・参考資料

  1. 2026年卒新入社員の職場での孤独感に関する調査 (求人ボックス ジャーナル(マイナビ転職調査))
  2. 2026年7月のテレワーク実施率調査 (求人ボックス ジャーナル(パーソル総合研究所調査))
  3. 新入社員育成・定着課題調査2026 (日本の人事部(アイ・ラーニング調査))
  4. 高知県、週10時間の無給休暇を取得できる「短時間正職員」を採用 (日本経済新聞)

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