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管理部門の年収相場|経理432万円・総務412万円が示す幅の意味

求人ボックスの掲載求人から算出した経理・総務の平均年収と分布を整理します。経理の給与幅は349〜1,073万円と3倍以上の開きがあり、平均値だけを見ても交渉材料になりません。分布のどこにいるかで考える方法をまとめます。

「経理の平均年収は432万円」という数字を見ても、交渉の材料にはなりません。同じ経理の給与幅は349〜1,073万円で、3倍以上の開きがあるからです。平均値ではなく分布のどこにいるかで考える方法を整理します。

この記事のデータについて

数値は求人ボックスが掲載求人情報から算出した給料データ(2026年9月時点)です。実際に支払われている賃金ではなく、求人票に提示されている条件の集計である点に注意してください。

転職を検討する立場では、むしろこちらのほうが実用的です。いま市場に出ている求人が、いくらで募集しているかを示すためです。

経理・総務の相場

項目経理総務
平均年収432万円412万円
月給36万円34万円
初任給約24万円約24万円
正社員のボリュームゾーン349〜439万円384〜448万円
給与幅(全体)349〜1,073万円320〜830万円
派遣の平均時給1,604円1,648円
アルバイト・パートの平均時給1,201円1,153円

平均値より「幅」を見る

最も重要なのは、平均値ではなく給与幅です。

経理は349〜1,073万円。上限が下限の3.07倍あります。総務は320〜830万円で2.59倍です。

この幅は、同じ職種名でも求められる経験がまったく違うことを意味します。求人ボックスも「勤務先や経験・求められるスキルによっても大きな差がある」と記載しています。

つまり「経理の相場は432万円」という理解は、実務上ほとんど役に立ちません。自分がどの帯にいるかを把握するほうが有効です。

経理の帯を分けているもの

給与幅を生んでいるのは、担当した業務の範囲と深さです。

段階業務内容想定される帯
日次・月次仕訳、経費精算、支払処理、月次締めボリュームゾーン下限付近
年次決算、税務申告の補助、監査対応ボリュームゾーン内
応用連結決算、開示(有報・短信)、原価計算ボリュームゾーン上限〜
経営寄り予実管理、資金繰り、資本政策、IPO準備、M&A上位帯

この対応は、給与幅と業務範囲の一般的な関係にもとづく整理です。個社の給与テーブルは業種・規模・地域で異なります。

**求人票の「経理経験3年以上」は、この表のどこを指すかで難易度がまったく変わります。**面談では年数ではなく、どの段階まで担当したかを伝えるほうが正確に伝わります。

地域差は職種で違う

職種最高最低差
経理京都府 436万円沖縄県 345万円91万円
総務京都府 499万円青森県 331万円168万円

総務のほうが地域差が大きいという結果です。経理は資格・スキルの標準性が高く地域を越えて評価されやすい一方、総務は各社の業務範囲に依存する部分が大きいことが背景と考えられます。

転居を伴う転職では、地域差を年収の増減として織り込む必要があります。

ハイクラス帯は別の市場

給与幅の上限側は、通常の求人検索では見えにくい領域です。

管理部門特化型のMS-Japanは、公式サイトで非公開求人が約90%、ミドル層向け求人の60%以上が年収700万円以上と公表しています。

経理の給与幅の上限は1,073万円ですが、この帯の求人は公開されていない割合が高いということです。上位帯を狙う場合、公開求人だけを見ていても市場が把握できません。

相場全体が上がっている

個別の職種を離れて、賃金全体の動きも押さえておきます。

厚生労働省の毎月勤労統計調査(令和8年5月分速報)では、現金給与総額311,165円で前年同月比3.2%増、実質賃金指数も1.4%増でした。一般労働者は400,312円で3.5%増です。

さらにパーソル総合研究所の調査では、賃金を引き上げた/引き上げ予定の企業は73%(2022年の61.8%から上昇)、「改定なし」は**7.8%**まで減っています。

**賃上げの判断要素の上位は、物価動向29.7%、従業員の離職防止26.2%、優秀人材の採用強化24%**でした。業績は上位に入っていません。

つまり**企業は人材確保のために賃金を上げています。**転職市場では、この状況は交渉材料になります。

年収を上げる3つの道筋

分布の考え方から、現実的な選択肢は3つに整理できます。

1. 帯の中で上に動く(業務範囲を広げる)

経理なら月次から年次へ、年次から連結・開示へ。同じ職種のまま担当範囲を上げる方法です。現職で経験を積んでから動くほうが、結果的に高い帯に移れます。

2. 帯を変える(企業規模・業種を変える)

給与幅の上限側は、上場企業やIPO準備企業に多く存在します。同じ業務でも、企業のフェーズで提示額が変わります。

3. 地域を変える

経理で91万円、総務で168万円の地域差があります。転居が可能なら、これは無視できない差です。

交渉に使うときの注意

平均年収を根拠に「相場は432万円なので」と主張しても、効果は限定的です。採用側は自社の給与テーブルで動いています。

有効なのは次の形です。

  • 担当した業務範囲を具体的に示す(連結決算◯社、開示書類の作成担当など)
  • 提示額が分布のどこかを確認する(ボリュームゾーン349〜439万円に対してどの位置か)
  • 地域差を織り込む(転居を伴う場合)

まとめ

  • 経理の平均年収432万円、総務412万円(求人ボックス・2026年9月算出)
  • 重要なのは平均ではなく幅。経理は349〜1,073万円で3.07倍の開きがある
  • 幅を生んでいるのは業務の範囲と深さ。日次・月次/年次/応用/経営寄りで帯が変わる
  • ボリュームゾーンは経理349〜439万円、総務384〜448万円
  • 地域差は総務168万円、経理91万円。総務のほうが大きい
  • 上位帯の求人は公開されにくい。MS-Japanは非公開求人が約90%と公表
  • 賃上げ実施は73%で、判断要素の上位は物価・離職防止・採用強化。業績は上位にない
  • 交渉では平均値ではなく、担当した業務範囲と分布上の位置を示す

出典・参考資料

  1. 経理の仕事の年収・時給(給料ナビ) (求人ボックス)
  2. 総務の仕事の年収・時給(給料ナビ) (求人ボックス)
  3. 毎月勤労統計調査 令和8年5月分結果速報 (日本の人事部(厚生労働省))
  4. 人事トレンド調査2026 (HRプロ(パーソル総合研究所調査))
  5. MS-Japan 公式サイト (株式会社MS-Japan)

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