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CAREER

人事の市場価値はどこで決まるか|人員不足45.2%・専門性不足44.6%が示す構造

人事部の45.2%が人員不足、44.6%が専門性不足を抱え、45.6%はAI推進に関与していません。人事担当者を採用したい企業側のデータから、いま人事のキャリアで何が評価されるのかを逆算して整理します。

人事のキャリアを考えるとき、参考にすべきは転職サイトの求人票ではありません。人事部を採用する側が、いま何に困っているかです。企業側の調査データを読むと、評価される経験がかなりはっきり見えてきます。

このサイトは普段、採用する側の実務を扱っています。その視点をそのまま裏返して、人事のキャリアに当てはめたのがこの記事です。

人事部そのものが人手不足である

パーソル総合研究所が全国2,000名(係長以上の正規雇用者および経営・役員)に実施した「人事トレンド調査2026」の結果です。

人事部が直面する課題割合
人員不足45.2%
専門性不足44.6%
企画構想力の低さ39.3%

採用を担う部門自身が、人員不足と専門性不足を抱えています。

これは求職者側から見れば、**需要があるという意味です。**ただし「人手が足りないから誰でもいい」ではありません。同率で「専門性不足」が挙がっている点が重要です。頭数ではなく、特定の専門性が足りていない。

足りていない専門性は特定できる

同じ調査から、何が不足しているかが読み取れます。

項目割合
人事部でのAI活用率39.2%
AI推進に関与していない45.6%
情報漏洩・プライバシー保護への不安66.7%

正社員全体の生成AI業務利用率が54.3%であるのに対し、人事部の活用率は39.2%と下回っています。

さらに大手企業(売上高1,000億円以上、部長職以上505名)の調査では、AIエージェントの本番運用が48.3%まで進む一方、**73.1%が推進体制の不足感を訴え、最大の課題は「設計・評価できる人材の不足」45.9%**でした。

全社のAI活用は進むのに、人事部はその設計に関与できていない。 ここが空白です。

「使える」は要件として機能しない

注意すべきは、「生成AIを使えます」では差別化にならないことです。正社員の54.3%がすでに使っています。

企業が不足しているとしているのは**「設計・評価できる人材」**です。職務経歴書に書くべきは次のような内容になります。

  • どの業務プロセスにAIを組み込み、何を指標に評価したか
  • 出力の妥当性をどう検証したか
  • データの整備や連携にどこまで関与したか

「使ったことがある」と「業務に組み込んで成果を測った」の間には大きな差があります。後者を語れるかどうかが分岐点です。

採用実務の経験も、語り方で価値が変わる

もう一つ、企業側のデータから見える空白があります。

採用管理システムの導入率は**83.6%に達している一方、応募から面接予約までを完全自動化できているのは22.8%**にとどまります。夜間・休日を含む初回面接案内の自動化率は34.5%です。

つまり**「ツールは入れたが回っていない」企業が大多数**です。

ここから逆算すると、評価されるのは「ATSを使っていた」ではなく、次のような経験です。

弱い書き方強い書き方
採用管理システムを運用応募から面接予約までの自動化率を◯%から◯%へ改善
母集団形成を担当媒体別の有効応募単価を可視化し、予算配分を組み替えた
面接を年間◯件実施選考の滞留要因を工程別に測定し、日程調整の工数を◯分削減

数字で語れる人が少ない領域なので、測定した経験そのものが差別化になります。

見極めの手法を持っているかも問われている

人事1,000名を対象とした別の調査では、**76.4%が「採用判断はどう見極めるかから、どのような情報を得るかへ変化している」**と回答し、79.9%が本人から提供される情報だけでは不十分としています。

第三者情報(リファレンスチェック)の活用は26.5%、検討・情報収集中を含めると約9割です。

選考手法を更新できる人材が求められているということです。従来の面接運用を回してきただけでは、この変化に対応する人として見られにくくなります。

管理部門の転職市場という選択肢

人事は「管理部門」の一職種です。経理・財務・法務・総務と並んで扱われ、管理部門に特化した転職支援サービスが複数存在します。

一般的な総合型の転職エージェントと比べたときの違いは次の点です。

観点総合型管理部門特化型
求人の幅広い(営業・IT含む)管理部門に限定
担当者の理解度職種横断のため浅くなりやすい職種の実務を前提に話せる
非公開求人量は多い管理部門に絞られる
向いている人職種を変える可能性がある人管理部門で専門性を深める人

人事として専門性を深める方向であれば、特化型のほうが会話が成立しやすいというのが構造上の理由です。ただし求人の絶対数は総合型のほうが多いため、両方に登録して比較するのが現実的です。

具体的なサービスの比較は、別記事で扱います。 当サイトは料金・条件を検証してから掲載する方針のため、各社の対応領域と実績を確認したうえで公開します。

まとめ

  • 人事部の課題は人員不足45.2%と専門性不足44.6%。頭数ではなく特定の専門性が不足している
  • 人事部のAI活用率は39.2%で正社員全体の54.3%を下回り、45.6%はAI推進に関与していない。ここが最大の空白
  • 「AIを使える」は要件として機能しない。設計・評価した経験を語れるかが分岐点
  • ATS導入率83.6%に対し完全自動化は22.8%。「運用していた」より改善した数値を語る
  • 採用判断は「見極め方」から「情報の取り方」へ移行(76.4%が実感)。選考手法を更新できる人材が求められている
  • 管理部門特化型のエージェントは職種理解の深さが利点。求人数では総合型が勝るため併用が現実的

出典・参考資料

  1. 人事トレンド調査2026(賃上げ判断基準とAI活用) (HRプロ(パーソル総合研究所調査))
  2. 大手企業の「AIエージェント活用」に関する実態調査 (日本の人事部(パーソルキャリア調査))
  3. 採用管理システム(ATS)利用実態調査2026 (日本の人事部(ゼクウ調査))
  4. 採用判断の実態調査(人事1,000名) (日本の人事部(back check調査))

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